純の販売時期と、お問い合わせへの返答
2021年9月20日現在、
サクラマスの予約は入れており、漁協からの反応も良好。
10月末より販売を開始したいと考えております。
サクラマスが入手でき次第、このHPにてご案内させて頂きます。
ただしここ2年間、サクラマスは購入できておらず、今年も購入できない可能性がございます。
水揚げ量の少ない魚であり、ご理解ご了承の程、どうぞよろしくお願いいたします。
【多数頂いているご質問への返答】
質問:天然、養殖共にサクラマスの水揚げは「春」だが、なぜ秋の水揚げなのか?
解答:2021年より購入先を、射水市ではなく入善町の「入善漁協協同組合」に変更致します。
入善漁協では近畿大学と共同で水温調整によるサクラマスの夏越=大型化に成功。
3~4kgサイズのサクラマスが秋に水揚げできるようになりました。
(サクラマスは初夏の水温上昇で死滅しますが、水槽の水温を低温に保つ事で
最大サイズまで成長し続ける事が可能になった。)
鱒寿司にするにはサクラマスは大きい方が美味しく、美しい仕上がりとなる為、
より良いものを求めた結果、入善産のサクラマスを購入する事とした
=水揚げ(販売)が春から秋へと変更、となりました。
なお、当然ですが、漁協から競りを通さず購入します。
※朝日新聞「倍サイズのサクラマスの養殖成功」
https://www.asahi.com/articles/ASNCF6SK8NCCPISC00N.html
質問:射水産サクラマスでも大きいものがある。それは使わないのか?
解答:~可価格面での難点~
射水産サクラマスは、ブランド化し、市場の「競り」に出し高値で売る戦略です。
養殖魚のメリットは購入する魚のサイズ、味、値段、数量が数年前からわかる事です。
材料の送料、仕入れ値が事前に把握できる為、加工品を安定的に、安価に製造できる
のです。
が、
養殖魚をセリに出すと、いくらで購入できるかわかりません。
サクラマスはいるのに購入できるかどうかはわかりません。
買えたとしても、毎回値段が変わります。
このように「競りを経るサクラマス」を主材料とした場合、鱒寿司の値段は
「時価( *´艸`)、もしくはある程度の仕入れ値高騰を前提とした結構な値段」
という事になります。顧客目線ゼロですな。
そこまで美味いものなのかと言うと、そこまでではないと思う。
しかも、
本来いらないはずの輸送、競りのコスト等の中間マージンが乗って来る、
毎日、早朝に市場に行く人員を確保しなければならない、
購入した分だけの予約を受け付けるシステムを整える必要がある等、
入荷数と価格を総計した原価計算をしないといけない等、
入荷が見えない事での追加コスト、追加作業も軽視できません。
私は純富山産鱒の寿司をブランド化したいわけではありません。
高値で売りたいわけでもありません。
可能な限り安く、安定的に提供すべきだと思っています。
大衆的な魚であり、大衆的な食べ物だと思っているからです。
(外装にちょっと高級感は出しますが・・・)
よって、競りを経由しなければならない魚は購入対象にはなりません。
そもそも高値で売る事だけしか考えない組織と協業する気はありません。
よって私が射水産サクラマスを使うことはありません。
※北日本新聞「いみずサクラマス初競り 新湊漁協 高級魚デビュー」
https://www.hokurikushinkansen-navi.jp/pc/news/article.php?id=NEWS0000014890
~品質面での難点~
上記の記事にもございます通り射水市のサクラマスは1.5kgほどで水揚げされます。
2kg以下では脂が乗らず、身も薄く、鱒寿司に不向きです。
余談ですが、1.5kgのサクラマスって、
切り身にして焼き魚にしても小さいし、
まるごと串焼きもデカすぎてできないし、
刺身にしても貧相な断面しか取れないサイズです。
凄い角度で斜めに切ってカルパッチョ(*’▽’)
なサイズ。
そんな魚が100g500円前後(税抜)・・・・・。
んーーーーー
関係はないのですが、
どのようなターゲットに、
どのように消費してもらいたいのか、
強豪となる魚は何で価格はどの位で流通してるのか、
そもそも何のためにブランド化したのか、
見えません。
どちらにせよ、このサイズは鱒寿司向きではありません。
色々と謎が多い事業です。
~大人の事情~
射水市では行政が主導し「純・射水産鱒の寿司」の開発を行っています。
市が予算組んで、市議が隣県に笹の視察に行くほどですので、相当な熱意です。
弊社は高岡市にあり、「サクラマスは買ってもいいけど、鱒寿司にはしないでほしい」
という事なので、弊社は射水産サクラマスを購入する事はそもそもできません。
質問:なぜ天然ものを使わないのか?
解答:天然のサクラマスはビックリするくらいの「個体差」があります。
鱒寿司屋は握り寿司屋のように「極上のマスが水揚げされた時だ、1貫握る」という事は
できず、ある程度の数のサクラマスを集めて鱒寿司を作ります。
1尾1尾の味、色が極端に違うサクラマスをかき集めて作った寿司は「毎回味が違う商品」
となります。「一期一会の味」と言えばカッコいいのかもしてませんが、
「前回はメチャクチャ美味かったけど、今回は不味い」という事が日常です。
売り物になりません。
「美味しい鱒寿司を、安定的に製造し続ける」という弊社の信条と相反するものです。
色もソメイヨシノのような淡い桜色から茹でた紅ズワイガニより濃い色まで様々。
まだら模様の見た目は「個体差」を知らない方からすると、クレームの元になります
その点、生育環境、エサが同じで、味、色が比較的近い養殖のサクラマスは、
鱒寿司にとって最適であると考えています。
エサに色素を入れると、まぁ見事な紅鮭色になりますが、弊社は自然な風合いが
好きなので、色薄いよねーと言われても、ソメイヨシノのような淡い桜色の鱒の身を
使用していきます。
質問:養殖魚って臭くないの?
解答:この点は多くのご指摘を頂いております(笑)
現在、米、牛、豚、鶏、果物、野菜等、食材は「養殖物」に溢れていますが、
これらに関しては養殖の歴史が古く、当たり前にように受け止められています。
魚のいけすでの養殖は1980年代にはじまったばかりで、当初はエサが臭い
イワシだった為、魚も臭かった場合がある、と。
で、その頃の悪い印象、認識は抜けない、アップデートされないのだろうと思います。
この点は一般的な認識であり、否定する気はございません。
サクラマス養殖においては、陸上水槽で海洋深層水を使い、常に清潔に保つことで
病気も少なく、エサの研究も進み(と思う)、品質的には極上とまではいかずとも「上」
あたりを安定的に生産できる状況です。
また、サクラマスに関しては「天然ものだけ食べて育った」と言う方の割合が極めて低い
事もあって、天然ものの味の基準が共有されておらず、養殖魚との比較ができないのでは
ないかと考えています。
私自身、サクラマスに関しては養殖を使用する事に何の違和感も感じておりませんし、
臭いと感じた事はありません。
天然物に比べて著しく品質が低いという事はないのではないかと考えています。
ただし、海に囲まれた日本において、いま一つな養殖魚がいるというのも事実です。
この点を意見の柱とし「養殖の魚は食えません」と言う方に、
説得したり、
熱く説明したり、
論破しようなどとは一切考えておりませんし、
疑問を抱いている方にこの商品を進める事はありません。
コシヒカリも、A5の黒毛和牛も、「養殖もの」である、と。
乱獲で天然魚が高騰&ほぼ絶滅したのちに、初めて養殖魚が一般的になるのだろう
と考えています。
それまではあまり養殖サクラマスのメリットを発信する気はございません。
質問:
解答: