ざっくり、ここまでのあらすじ
本マス(海で獲れたマス)で作った鱒寿司はウマい、という有力な情報を得た。
だが、
富山産本マスは1年かけても入手できず。、
県外産サクラマスなら入手可能であることが分かった。
いざ本マス購入の段階で、では何県産が一番ウマいのか?という疑問にぶちあたり、
各県の状況、本マスの情報を収集することにした。
すると、どう考えても鱒寿司の量産化には天然サクラマスでは具合が悪いような気がしてきた。
情報収集の段階でどう考えたか、下記にてご説明したいと思います。
天然サクラマスの課題
開発秘話①の通り、最初は「最高に美味い鱒寿司が食べたい!」であった。
販売も視野に入れていたため、商品化を前提として開発を進める中で、
まずは鱒寿司の特徴と天然サクラマスの特徴を照らし合わせる事にした。
まずは鱒寿司に最適なサクラマスの条件から
鱒寿司用サクラマスに求められる特徴
①水揚げ量:安定供給が条件。今年はほとんど獲れませんでしたでは困る。
②水揚開始時期:ある程度予測できるとありがたい。
③サイズ:可食率、手間を考え2kg以上希望。
④品質:サクラマスの味、色、脂で個体差が大きいと商品化は難しい。
続いて天然サクラマスの特徴
天然サクラマスの特徴
①水揚量:年による。昨年同様の量が確保できるかどうかは保証できない。
②出荷時期:年による。人為的な操作はできない。
③サイズ:ピンキリ。1kg~4kgアップまで様々。
④品質:身の色、脂乗りは個体差あり。極上ものも出てくるがそうでない場合もある。
表にするとこんな感じ↓
鱒寿司向き | 天然サクラマス | |
バラつきが少ない | 品質 | 固体差あり |
通年で一定 | 価格 | 時価 |
事前に告知してもらいたい。 | 水揚げ時期 | 人為的に操作できない。 |
発注分は確保して欲しい | 水揚げ量 | 年により増減あり。 |
鱒寿司は通年で同じ味、同じ価格。均一価格、安定供給が原則。
天然モノだと、安定性に欠けるなという印象。
このままいけば極上品は作ることができるかもしれないが、商品化は難しいであろうという結論に達しました。
富山産サクラマスに続き、天然ものサクラマスも断念!?
天然サクラマス
と思っていた中、
友人の友人の師匠が近畿大学の教授で、
しかも近大・富山実験場でサクラマスを養殖しているという奇跡みたいな事実が発覚!!!
早速、連絡。
2013年夏に相談させて頂き、鱒寿司専用のでっかいサクラマスを育てて下さい_(._.)_
とお願いしたのが、新商品開発の始まりでございました。
回り回って、店から車で40分の場所でサクラマスの調達どころか、
「鱒寿司専用」というかつてない企画が立ち上がる事になりました。
開発秘話③ 「近畿大学 水産研究所 富山実験場との出会い」へつづく