常温≠室温


 梅雨もあけ、夏らしい季節となって参りました。

店頭でよく聞く

「鱒寿司、常温で置いといて大丈夫よね?」

という質問。

「常温で大丈夫です!!!!」

と全力で答えてはいるものの、

確認してみると、ほとんどの方は

常温=室温=温度管理をせずに放置

である場合が多い気がします。

体温は2℃、3℃の変化でえらい事になりますが、

食品に関してはあまり気にしない傾向があります。

温度管理という些細ではありますが、品質を決定づける大事な要素なので、今一度、考えを述べてみたいと思います。

常温の定義は20℃位・・・・だと思っている。

常温の定義について、

日本薬局方の通則:常温は15℃~25℃、

日本工業規格:常温の基準値は20℃、

微生物学:25℃、

ソムリエの言う「赤ワインは常温で」の常温:18~20℃

規格、業種は違えど、常温=20℃位であろう。

ところが、真夏の日本では

・外気温は30℃以上、

・クーラーの効いた部屋でも27℃程、

・冷蔵庫は8℃以下・・・・

家庭で自然に任せた状態で20℃くらいの環境は、日本には、無い。

一般的に鍾乳洞、氷室でもなければ、日中は確実に25℃以上である。

機械に頼ろうにも20℃という微妙な温度帯を保つ機械は

・ワインセラー

・コンビニのおにぎり用陳列台

・農業用の保存庫

くらいしか思い当たらない。

普通、家にないものばかり。

 

じゃあどうすれば?という事に辿り着くのですが、

常連さんは

・保冷バック

・クーラーボックス

・発泡スチロール

など、断熱できるものと保冷材持参で来店されます。

「ものをおいしく食べる」ためには多少の努力が必要となります。

面倒臭いことをお願いいたしますが、「適温」に少しだけ気を配り、お召し上がりいただけると幸いです。

店主 丸山